Published: 23/01/2023 |
「藤田サルベージ」は、取材と調査を2019年から始めて、凡そ3年で完成させることができた。飛び回った距離は10万キロを軽く超えた。 |
Published: 25/10/2020 |
オーストラリアに移住して34年になる。その間、多くの人々に助けられて今日の筆者がいる。「ひとすじの愛」は、5冊目の本である、初めて本格的な「愛」に挑戦してみた。とても難しい小説であった。それでも頑張れたのは天国の友人からの後押しがあったものと確信している。 |
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日本人が移住して、真珠貝を採集した明治時代へ遡り、大学4年生の小森剛が祖母の残した日記帖を頼りにオーストラリアのインド洋側の町、ブルームを訪ねるこの物語は、幕末から日本人が歩んだ海外への出稼ぎの歴史かも知れない。 当時のブルームの町には、2000人を超える日本人たちが暮らし、日本人街、日本人病院などもあったという。想像するに実に伸び伸びと暮らせたのではないかと思う。 筆者自身もまた同じように、ここに来て働いて生きてきた。日本とオーストラリア二つの国の文化の違いに悩みながらも消化して生きてきた。しかしながら百数十年前に始まった白豪主義の頃は、日本人にはたいへん厳しい社会であっただろう。何しろ白人のみが国民という時代なのだから。この国の元の住民アボリジニは人口にも加えてもらえない時代であった。 だが今は、天国と言えるくらい暮らし易い国になっていると思う。これほど豊かに成長した移民の国が他にあるだろうか? この今のコロナ禍の中でも、充分に人々は朗らかに生きている。仕事はテレワークに替わり以前とは違った生き方が定着しつつあるようだ。 |
Published: 25/12/2015 |
「穣の一粒」は、筆者の作品の中でも最も大切な小説である。オーストラリア大陸で初めてお米の試作に挑戦し、そして成功させて今日のオーストラリア米の基礎を作った人物、高須賀譲の一家を描いた明治時代から昭和までを物語である。 |
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「天へ落馬して」は、主人公エリザベスの活躍を追いかけてみる。イギリスからシドニー大学の獣医学部博士課の4年生のエリザベスが、息抜きを兼ねて楽しんでいるアルバイト先で起きる事件から物語は始まる。 |
Published: 28/11/2006 |
2006年に病を得て、あぁこれまでか、母と同じ50代で死ぬのかと諦めが来た時に、何とかオーストラリアで生きた証が残せないかと考えたのが、唯一筆者が残せるものがオーストラリアの教育事情のような簡単な冊子だと考えた。しかしながら読書は好きだが執筆は日記帖のような形のエッセイだけであったから困った。 |